更新日:2025年9月17日
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国際交流員のアノンが広報Izunokuniに連載中の「アノンのあのね」第8回を紹介します。
サインバイノー!アノンです。
伊豆の国市はモンゴル国と友好交流を始め9年になりますが、市民はまだまだモンゴルについて知らない人がたくさんいます。地域の賑わいづくりとして行われている手作りマーケットなどのイベントの時にモンゴル文化の紹介をしています。前回の手作りマーケットvol.8は2024年3月17日に韮山反射炉のすぐそばにある反射炉自然公園でモンゴルの移動式住居ゲルを建て、モンゴル文化の紹介、民族衣装「デール」の試着、モンゴルの手作り商品と岩塩の販売などを行いました。また、同公園内ではうま広場さんのヨナグニウマの引き馬体験があり、伊豆の国市でモンゴルの大草原を感じられるイベントになりました。
私は祖父母に育てられ、遊牧民の生活も体験できる環境にいたので同年代の中でモンゴル文化は知っている方だと思いますが、他人に紹介するためにたくさん研究したり、調べたりしている間、今までより高い愛国心を持つようになりました。そして、伊豆の国市に来てから日本の文化と母国の文化に比べながら勉強することができてこの仕事が大好きになりました。
今回私は日本で初めてモンゴルゲルを建てました。幼いころ遊牧民生活の経験があると言っても、最初はどう進めれば良いのか不安もありましたが、皆さんの協力を得て、約3時間で無事にゲルを完成させることができました。
ゲルを完成させた後、自然と13世紀のモンゴル帝国の歴史を思い出しました。モンゴル帝国が日本に攻め入ったものの、失敗に終わったという事実が心に浮かびました。もしその時、モンゴルの軍が成功していたなら、今日の日本におけるゲルは珍しいものではなく、普通の光景として見られていたかもしれません。そう考えると、歴史の「もしも」を想像するのは面白く、また少し寂しさも感じます。
しかし、現在ではモンゴルと日本が友好関係を築き、互いの文化を尊重し合いながら交流を深めています。21世紀の今、こうしてモンゴル文化を日本で紹介できることは、非常に貴重で素晴らしいことだと思います。このような交流を通じて、私たちモンゴル人の伝統が世界に広がり、理解されていくことに感謝の気持ちでいっぱいです。
2024年5月号
写真1(手作りマーケットの様子)