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更新日:2021年6月10日

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所信表明

山下市長メッセージ私は、4月の市長選挙で現職を破り、市長に就任しました。

私への期待の大きさの表われだと思っており、期待を裏切ることがないよう、市民の声に耳を傾け、公平・公正で良識と品格のある市政を展開していく所存です。

さて、伊豆の国市は平成17年4月の誕生から16年が経過しましたが、その間、市を取り巻く社会情勢は常に変化しており、旧態依然とした組織・機構や体質では適切な行政運営が難しい状況にあります。

今後は、組織・機構の見直しを含め、改革すべきは改革し、市民に信頼される市政を実現します。

その市政運営にあたっては、次の5つの柱を重点課題として取り組みたいと考えています。

1、「市民が主役」

伊豆の国市の行政は、「市民のための行政」でなければなりません。

また、行政運営に携わる市職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務することが求められ、職員による不正や違法行為はもちろんですが、外部からの不当な要求や介入等によって公共の利益が損なわれ、公平・公正な行政運営が妨げられるようなことがあってはなりません。

そのためには、行政運営に関する情報を積極的にかつ適切な時期に公開し、透明性の確保に努めるとともに、外部有識者など第三者の活用や職員の倫理規程の整備を図ります。

また、市民からのご意見やご提案については、公平・公正という点を踏まえ適切に対応します。

かつて、米国のケネディ大統領は、「国があなたたちに何をしてあげられるのかを問うのではなく、あなたたちが国のために何ができるのかを問うてください。」と述べました。

私としても、市民の皆様が主体的にまちづくりに参画できるよう、協働を支援してまいります。

行財政改革では、市民目線による事業の見直しや民間活力の導入などを進めてまいります。

行政窓口については、市民の皆様、特に高齢者や障がいのある方にできるだけ不便を生じないよう、市役所の現在の本庁舎は存続させ、一般的な手続きについては各支所で完結できるようICTの活用を検討します。

行政サービスの手続きに必要な押印の省略化を行うとともに、DX(デジタル・トランスフォーメーション、デジタル化に合わせた変革)に取り組み、市民の利便性の向上と、業務の効率化を図ります。

2、「元気な経済」

少子高齢化の進行による社会保障関連経費の増加や生産年齢人口の減少による税収の減少など、社会情勢の変化に伴い、伊豆の国市の財政は厳しい状況にあります。

また、新型コロナウイルス感染症の世界的流行、そして、感染拡大防止のための経済社会活動の抑制は、日本の経済に甚大な影響をもたらしていますが、伊豆の国市もその例外ではありません。

観光業、特に宿泊業や飲食業に携わる方々や、それに関連する業界の方々への影響は、大変厳しいものがあると認識しております。

そのような状況を打破し、活力ある経済を取り戻すためには、伊豆の国市への来訪者を増やすとともに、地域を活性化させる積極的な取組みが必要です。

コロナ禍の中で新たな働き方として活用されている「テレワーク」や、ビジネスと観光が融合した新しい旅行スタイルである「ワーケーション」に対応可能な環境整備や誘致を促進し、流入人口の増加を目指します。

伊豆の国市の地域資源や資産である歴史文化や温泉、さらには豊かな自然や農産物等をフルに活用した、効果的な観光施策を推進し、宿泊客、観光客の増加を目指します。

伊豆の国市をさらに魅力ある目的地とするために努力されているボランティアの方々とも連携し、必要な取組みを行います。

来年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」をきっかけにした観光振興については、伊豆の国市が核となることが期待されていることを自覚し、県の取組みとも連携しつつ、市内観光業を営む方々の切実な声に応えていくことが、私に課された責務だと思っています。

農業分野では、市内農産物の付加価値の向上や農村の活性化を図る様々な取組みを生む、農業の6次産業化を推進するとともに、農業者と食品関連事業者の交流・連携を働きかけて地産地消の取組みを推進してまいります。

また、新たなマーケットの獲得についても力を注ぎ、市内農産物の消費拡大を図ります。

さらに、苺やトマトなどの担い手不足を解消するとともに、産地としての存続、発展を図るため、JAとも連携して新規就農を支援してまいります。

地域の伝統に育まれ、生産地の気候・風土・土壌などにより生み出された品質を持つ産品の名称、「地理的表示」を知的財産として保護する制度「地理的表示(GI)保護制度」の活用を視野に入れた市内産品の差別化、高付加価値化を目指すとともに、関連産業の振興を図ります。

また、耕作放棄地の有効活用や鳥獣害対策を推進してまいります。

住宅地に接するなど市街化が進んでいる市街化調整区域について、現況を考慮して土地の有効利用が図られるよう、検討を進めてまいります。

3、「高齢者や障がいのある方への支援」

近年、科学技術のめざましい発展により、人々の生活は便利で豊かになる一方で、人口減少や少子化・高齢化の進行、家族構成の変化、価値観・ライフスタイルの多様化など、地域社会を取り巻く状況は大きく変化しています。

そのような状況の中で、高齢者や障がいのある方が、地域で安心して生活を続けることができる、住みやすいまちにするためには、公的な福祉サービスだけでは限界があります。

地域の助け合いによる福祉「地域福祉」を推進して、人と人とのつながりを基本として、お互いを支え合う仕組みを構築し、市民・団体・地域・行政等が、それぞれの役割を担いながら、お互いに力を合わせる協働の関係をつくります。

障がいのある方が農業分野での活躍を通じて、自信や生きがいを感じていただく「農福連携」の取組みを推進します。

市内にあります県立東部特別支援学校や県立伊豆の国特別支援学校等と連携し、障がいのある方の社会参加への支援に取り組みます。

生活圏の拡大や社会参加の促進、通院等の日常生活の利便性の向上のため、高齢者や障がいのある方に交付しているタクシー等利用券については、地域公共交通の維持確保にも配慮して、より使いやすいものとなるよう見直します。

4、「安全・安心な暮らし」

市民の皆様が安全に安心して生活していただくために、今、最も優先すべきことは、新型コロナウイルス感染症の予防対策であるワクチン接種です。

65歳以上の高齢者の皆様には、4月26日から接種の予約を開始したところでありますが、予約の手続きにおきまして混乱を招き、ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

65歳以上の全ての高齢者を同時に対象としたため、希望者、すなわち需要が接種枠である供給を大幅に上回ったことが、混乱の原因でした。

当初、供給が不安視されていた高齢者16,671人分のワクチンは、確保できる見込みとなり、5月2日から開始した集団接種や医療機関で行う個別接種と併せて、65歳以上の方の接種を、7月末までに終了させたいと考えております。

また、高齢者や障がいのある方が接種会場へスムーズに移動できるよう、近くタクシー券の配布も予定しております。

これにつきましては、私が市長就任後、指示したことなので、接種がスタートした後の配布になってしまいますが、使途は限定されていないので、既に接種された方々は、補填という意味でお出かけのときに使っていただければ幸いです。

今後、65歳未満の方の一般接種が予定されていますが、円滑な予約環境の構築を行いながら、国や県、医療機関と連携しつつ、より迅速かつ適切な実施に取り組みます。

新型コロナ対策に限らず、地域医療の充実は、安心した生活を送るために必要不可欠です。順天堂大学医学部附属静岡病院との間で締結した相互協力に関する協定に基づき、地域医療の支援について連携・協力しながら、地域医療体制の充実を図ります。

子育て支援では、民間の保育園やこども園と協議・調整しながら、できる限り希望する園に入園できるよう保育所定員の増員を図るため、公立幼稚園のこども園化に向けて取り組みます。

それから大変重要な課題として、「防災・減災」があります。

これについては、伊豆の国市は、市内中央部を狩野川が流れていることに加え、近年の気候変動により局地的な豪雨が発生していることから、洪水による災害の発生リスクが高まっていますので、河川改修等の治水事業を推進するとともに、狩野川流域治水協議会が定める流域治水プロジェクトに基づき、関係機関と連携した流域治水の強化を図ります。

三方を山に囲まれた地勢から、降雨時や地震時には土砂災害の発生が予測されますので、市森林整備計画に基づき、森林の持つ、水源涵養や、山地災害防止、土壌保全などの公益的機能を活かすための森林保全・整備を推進します。

5、「歴史・文化・教育」

伊豆の国市は、世界文化遺産の韮山反射炉や仏師運慶による国宝の仏像、北条ゆかりの地など、全国的に見ても価値のある歴史文化資産を有しています。

また、先程もふれましたが、来年、伊豆の国市に所縁(ゆかり)のある北条義時を主人公とした、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が放送されます。

経済効果という観点だけでなく、このまたとないチャンスを活かして、価値ある歴史文化資産を活用しながら、より多くの方がこの地域の歴史に触れ関わる機会を増やすことも肝要であります。

さらに私としては、時代時代の歴史文化資産が豊富な伊豆の国市に、学習や観光の場、さらには市内芸術家の作品展示の場として博物館があっても不思議ではなく、将来に向けた課題として考えているところです。

教育・学びの分野では、英語圏の市との交流を行うとともに、幼少期や小学校低学年から英語に触れる機会を増やすことを検討します。

また、情報通信技術を教育分野に積極的に取り入れてまいります。

市民の健康増進や余暇の充実を図るとともに、大学等の合宿の場として活用してもらうため、グラウンドや体育館、器具などのスポーツ環境の整備を行います。

さて、効率的で効果的な行政運営を進める上で、将来、ますます広域的な連携が必要になることは論を待ちません。

私は、積極的に近隣市町と連携、協力しなければならないと思っています。そして、伊豆の国市だけでなく、広く地域としての発展にも努める考えであります。

議会との関係について

市長と市議会は、それぞれが二元代表制の一翼を担うものであり、相互に適度な緊張関係を維持しながら、ともに市民福祉の向上、市政の発展等を目指すパートナーでもあります。

私は、市長として自分が決めて実行できる施策については、自分の良心と見識のもとに責任を持って遂行いたします。

予算案や議員提案以外の条例案などについては、市長(市側)は提案しますが、あくまでも決めるのは議会です。議会の責任において議決された議案は、尊重しなければなりません。

今後、議会に対しては、積極的な情報提供、情報共有を行うとともに、政策形成過程における意見交換などに努めてまいる考えであります。

市民の皆様及び議員各位のご理解とご協力をお願いいたします。

お問い合わせ先

市長公室

〒410-2292静岡県伊豆の国市長岡340-1 伊豆の国市役所伊豆長岡庁舎2階

電話番号:055-948-1431

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